ヒョンデ・モーター・グループ(以下、ヒョンデ)は、顧客のモビリティ体験を根本から変革する次世代インフォテインメントシステム「Pleos Connect(プレオス・コネクト)」を発表しました。
これは、ヒョンデがソフトウェア中心のモビリティリーダーへと転換するための重要な第一歩であり、初の「SDV(ソフトウェア定義車両)」としての成果物となります。



1. 2030年までに2,000万台へ展開、IONIQ 3にも搭載

Pleos Connectは、「直感性」「安全性」「開放性」の3つの柱に基づいて開発されました。
- ローンチ計画: 2026年5月に韓国で新型「グレンジャー(GRANDEUR)」に初搭載されます。
- グローバル展開: その後段階的に世界へ広がり、欧州では先日発表された「IONIQ 3」が初の搭載モデルとなります。
- 普及目標: 2030年までに、ヒョンデ、起亜、ジェネシスの約2,000万台の車両に同システムを搭載する計画です。
- 継続的な進化: OTA(無線)アップデートを通じて、納車後も機能やパフォーマンスが継続的に強化されます。
2. 直感的な操作を実現する「インテリジェント・コックピット」

モバイルデバイスのような馴染みやすさを追求し、ドライバーの注意散漫を最小限に抑える設計がなされています。
- 大型センタースクリーン: 運転情報、アプリ、ボトムバー(頻繁に使うアプリの固定)の3セクションに分割されたワイドディスプレイを採用しています。
- スリムディスプレイ: ドライバーの正面に配置され、速度やルート案内などの重要情報を視界の中に直接表示します。
- 物理ボタンの継承: 安全性を考慮し、ステアリングやスクリーンの下に物理ボタンを残すことで、主要機能への素早いアクセスを確保しています。
- ジェスチャー操作: 3本指のジェスチャーでアプリウィンドウを動かしたり、即座に閉じたりすることが可能です。
3. LLMベースのAIエージェント「Gleo AI」が同乗

Pleos Connectの中核となるのが、大規模言語モデル(LLM)を活用した高度な音声アシスタント「Gleo AI」です。
- コンテキスト認識: 会話や運転の状況を理解し、「あそこに行って」といった抽象的な指示を正確に解釈します。
- マルチコマンド処理: 一つのリクエストで複数のコマンドを同時に実行できます。
- ゾーン認識: 話者が車内のどこにいるかを特定し、「私の席のヒーターをつけて」といった個別の要求に応えます。
- ウェブ検索機能: ニュースや天気、スポーツの結果などをウェブから検索して回答できます。
4. 車内をスマホのように。オープンな「App Market」
「App Market」を通じて、サードパーティ製のサービスを車内で自由に利用できるオープンなエコシステムを構築します。
- リッチなコンテンツ: スマートフォンを接続することなく、YouTubeやSpotify、essential;、genieなどのアプリを直接実行できます。
- 将来の拡張: 今後はゲームやエンターテインメント、車両管理サービスなどにも拡大予定です。
- 開発者支援: 「Pleos Playground」プラットフォームを通じて、世界中の開発者が新しいサービスを開発・ローンチできる環境を提供します。
引用(翻訳元):Hyundai Motor Group Newsroom
編集部まとめ
今回の発表は、ヒョンデ・グループが「ハードウェアの会社」から「ソフトウェア主導のモビリティ企業」へ本気でシフトしたことを象徴しています。
特に興味深いのは、単なるSDVにとどまらず、パーソナライズされたAIとの対話を通じて「人間と車両の相互作用」を強化するAIDV(人工知能定義車両)という次のフェーズを見据えている点です。
欧州で期待される「IONIQ 3」への搭載も、現地の若年層やテック志向のユーザーを取り込む強力な武器になるでしょう。日本への導入時期については明記されていませんが、グループ全体のグローバルな展開速度を考えると、遠くない将来に日本でも体験できる日が来るはずです。

